EQB-1000HRS

Honda Racing
Honda Racing
限定モデル

スペシャル対談

F1パワーユニットに使用される 特殊素材を 採用した
この夢の1本が どう誕生したのかを、 スペシャル対談にて 振り返る

カシオ計算機  荒井秀介

カシオ計算機株式会社
羽村技術センター
開発本部  時計企画統轄部
商品企画部  第二企画室  主幹

HRD Sakura  浅木泰昭

本田技術研究所
HRD Sakura担当  執行役員
F1パワーユニット 開発総責任者

──今回カシオとホンダレーシングとのコラボレーションのエディフィスが発売されますが、その経緯についてお伺いできればと思います。

荒井:もう2年ほど前になるんですけど、2017年の10月に開催された日本GPに私も行きまして、日本最高峰のエンジンを作り上げるホンダさんと、技術の面で我々の時計に活かせることがないか、といったところで、まずその先進技術を紹介してもらえないかという話からスタートさせていただきました。

──それで実際の開発のため、栃木に訪問されたと。

荒井:以前から一番興味があったのが、ホンダがF1技術のなかでどんな素材を使って、どんなところに気を遣って開発しているのか、というところでした。特にF1パワーユニットの性能を上げる素材が時計の性能を上げるというような、共通使用ができるものはないか、ということに非常に興味がありました。そして技術の方とお話しさせていただいた時、今回商品にさせていただいたチタンアルミナイドをご紹介していただきました。その時に耳に残っているのが、『バルブは一番働き者の部品で、エンジンの性能を左右するひとつである』と伺いましたので、ぜひ時計として商品化できないものかとスタートしました。

浅木:チタンアルミナイドは非常に特殊な合金です。すごく硬いのに軽くて剛性がある。そういう金属は、反面脆さもあるので、部品にするのは大変だったのではないかと思います。すごく加工しにくい。

荒井:素材はバイトという工具で削っていくのですが、少しでも刃がこぼれたりしてくると、すぐに欠けてしまうんです。いろいろテストしまして、最終的には6種類のバイトを使って削りました。

──この素材を使うと聞いた時は、どう思われました?

浅木:苦労するか、あきらめるんじゃないかと(笑)。

荒井:またベゼルの表面には、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングという表面処理もさせていただいています。こちらもF1パワーユニットのバルブで使用されているテクノロジーになります。

浅木:DLCはレーシングエンジンではわりと採用されている技術です。摺動面で磨耗させたくないところで対応しています。相当傷がつきにくいのではないかと思います。

──コスト的にも高価なんですか?

荒井:私が思っていた以上に(苦笑)。加工も厳しいので、最初は数量を減らしてくれないか、と考えました。

──そこまで大変なのに、どうやって開発にモチベーションを維持できたんでしょう?

荒井:やはりホンダとタイアップができるということ、その技術を活かした時計をカシオとしても作れるということ。そしてエディフィスはモータースポーツの世界を体現化した商品と考えていますので、これまでにない良い機会だと考えて、できる限りのことをしました。

浅木:レースも素材そのものだけでなく、製造技術の勝負なんですよね。必要とされる数を作れなければレースになりません。同じような苦労をされたのではないかなと思います。

──今回のモデルの完成度にはどのくらい満足されていますか。

荒井:それはもう満足です。今回はエディフィスというブランドのなかで、最高峰にふさわしい価格設定をさせていただいています。

浅木:情熱とスピード感を両方感じさせるような、レースにぴったり合うデザイン。さすがですよね。

Honda Racingの最先端技術を
身にまとった腕時計を造りたかった

──カシオ計算機 荒井秀介

チタンアルミナイドは加工が難しい
製作には苦心されたと思います

──HRD Sakura 浅木泰昭

チタンアルミナイド: Honda F1 第3期に 2万回転を 目指し 開発された 超軽量・ 超剛性 マテリアル

今回のEQB-1000HRS-1Aのベゼル部に採用されるチタンアルミナイド合金は、ホンダF1が第3期の自然吸気レーシングエンジンの開発に取り組んでいる際に初採用された素材。「主には軽量化ですね。高回転エンジンの主の部分、しかも壊れては元も子もないですから、そういうニーズが高かったところに使っている材料です。もちろん合金系ですから、現在は作り方や精度、安定性は進化しています」(HRD Sakura 浅木泰昭氏)。

HRD Sakura

HRD SakuraはHondaの四輪モータースポーツの技術開発を行う研究所です。Hondaのモータースポーツ活動を永続的に発展させ、世界中のモータースポーツファンに喜びと夢を提供することを使命として取り組んでいます。

Honda F1マネージングディレクター

山本雅史が語る Hondaとエディフィス

カシオとのコラボレーションモデルの キーマンとなった 山本MD
彼が語る 最新 Honda Racing バージョンの 魅力とは?

カシオさんとHonda Racingバージョンを作るにあたっては、2017年の日本GPで、最初にお会いしたのがきっかけでした。まず、18年にトロロッソとホンダが一緒にやることが決まって、それは17年のシンガポールGPの時に発表したのですけど、その時フランツ・トスト代表から、カシオがトロロッソにスポンサードしていることから『ホンダもカシオと何かコラボレーションできないのか?』という話がありました。そして、たまたまその直後の日本GPでカシオの方を紹介していただき、我々もカシオも同じF1のフィールドでやっていくのなら、チーム・ジャパンというかたちで一緒に何かやりましょうと。最初からお互い思いは同じで意気投合し、ホンダとカシオが一緒になって、日本のモータースポーツファンの方々に何かアピールできればいいですねという思いでした。僕個人としては、昔の話ですけど、ホンダのF2やシビックでカシオカラーのマシンが走っていて、それが強烈な印象としてあり、時計で一緒にコラボレーションするならカシオ、という思い入れもありましたね。

その後、まず18年にHonda Racingバージョンを日本GPで発売して、そして今回の19年はホンダのレースエンジンの開発とより密接にコラボレーションしたバージョンが完成しました。

今回のバージョンについては、カシオの開発の方々がHRD Sakuraに何回も足を運ばれ、『ホンダと一緒にやるならF1のパワーユニットと同じ技術を使った何かを考えたい』という強い思いが感じられ、我々の開発陣も一緒になって作ったもので、本当の意味でのコラボレーションモデルとして仕上がったものだと思います。

F1のパワーユニットと同じ素材を使った時計で、チタンアルミナイドというのは加工が大変だと聞いていましたが、それを乗り越えて、カシオとホンダが一緒に完成させたものです。同じ日本の会社が、モータースポーツの世界で強くなっていく象徴的なコラボレーションだと思っています。

デザインも、ホンダのイメージカラーである赤をうまく使ってもらっていて、良い仕上がりですね。そして機能としては、海外でも時刻合わせが非常に簡単な、Bluetoothでスマートフォンと連動する機能があり、実際に今使っている僕としてはとてもありがたいものです。その機能があって、この薄さと軽さはとても素晴らしい仕上がりで、モータースポーツの世界同様、技術の進化を感じられるもので、とても気に入っています。

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